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2019/05/20
里の人インタビュー:新田さん(里力再生協議会会長)① 〜人で繋がる地域づくり
地域のこと
地域の魅力は「人」。
三重・森本にはどんな人たちが住み、どんな暮らしをし、どんなことを考えているのか。
三重・森本の人にスポットを当て、そこから地域の魅力を探っていくインタビュー企画です。三重・森本里力再生協議会の会長を務める新田良文さん。三重森本の地域づくりの中心となっている一人で、とても精力的に動いている方です。
そんな新田さんが思う地域づくりの秘訣は「人で繋がること」だそう。一体どういうことなんでしょう。三重森本の地域づくりの経緯も含め、詳しくお話を聞いてきました。
新田良文さん/三重・森本里力再生協議会会長
1954(昭和29)年生まれ。伊根町出身。三重地区には約30年前から住む。この3月まで京丹後市の地域づくり支援員として活動し、多忙な毎日を過ごしてきた。
―こんにちは、今日はよろしくお願いします。いきなりですが新田さんが会長を務めている三重・森本里力再生協議会はどういった活動をされているのでしょうか?
現在は主に空き家を活用した移住促進の取り組み、大学と地域の連携、まんぐるわ三重・森本と一緒になった取り組みや地域でのイベントをやってる。基本的に三重と森本が一緒になってやった方がより効果があって、地域にとっていいと思うことは里力再生協議会がやろうということになってる。
基本は森本区だったら森本区の役員さんが中心になって、三重区だったら三重区の役員さんがというように、区の行事や各区が持っている課題を解決するということでその区が中心となって地域づくりをするように分けているね。
―なるほど。里力再生協議会は、もともとどういう経緯で作られたんですか。
当時「このままではだめだ」「何とかしなければ」という声が地域であがっていて、この地域を将来に続けていくためにということで、平成25年の7月に設立された。ちょうど京都府から命の里事業という補助金制度のタイミングがあって。
―もう6年目なんですね。補助金の期間はもう切れていると思うんですが、その後も活動がちゃんと続いているというのはすごいですね。
命の里事業の3年が終わる頃、みんなで話し合って。そこで「補助金は終わっても地域づくりはまだ道半ばなので、三重・森本の組織ができたんだから引き続きやっていこう」ということになった。
現在、里力再生協議会の年間予算は区費から負担してもらっている4万円で活動してる。
―そうやって考えて実際に活動していける地域って少ないと思うんですが、新田さんはなぜこの地域でそれができたんだと思いますか?
実はその理由は明確にあって、三重と森本の一番いいところは、お金で繋がってない、人で繋がってるところ。命の里事業は府から補助金が3年間出るから、いろんなことができる。でもそのお金で繋がってると、その期間が終わったら活動が続きません。
三重と森本は人で繋がってるから、大人も子供達も住んで楽しいと思える地域を作ろう、今よりもいい地域にしようと思って集まっている組織だから、長く続くんだと思う。だからもう解散しようなんて声は全くないし。
―人で繋がる取り組みっていいですね。人の繋がりを大事にするという点で、何か新田さんが気にかけていることはありますか?
はたから見たら些細なことであっても、リーダーが決めて、さあやろうぜということじゃなくて、全体で意見を聞いて大切なことを確認してから進めることにしてる。
―人の繋がりで取り組みを継続できているということでしたが、三重と森本地区の繋がりはどうですか?
実は三重森本の2地区が一つの組織を作ったのは初めてのこと。一つの地区では命の里事業の採択を受けられないというのもあって、周りの地区はもう事業を始めているところが多かったから必然的にこの2地区が組むことになった。今はこの2地区で一緒にできてよかったと思う。
あとはかつて三重小学校というのがあって、その校区が一緒だったのもあるしね。昔は村の間で水利争いみたいなのがあったとも聞いたけど、今は仲良し(笑)。
―これからもっと仲良くなっていきそうですね。こういった里力再生協議会の取り組みについては住民の方の理解は進んでるんでしょうか?
区民全体に理解してもらえるように、協議会から機会を通じて報告したり、里づくり通信を発行して、知ってもらうためにできることは色々やってるけど、なかなか時間はかかるかな。
小学生の子供たちを対象とした古代米の手植え、手刈り体験を毎年していて、その子ども達の若い親の層には知ってもらっているかなと思う。
ただ大学生との取り組みへの理解はもう少しかな。大学生が来てるのはわかるけど、何してるかわからないという人も多いような気がする。去年ぐらいから実際にゲンゴロウ郷の米を売り出したから、少しは知ってもらえて来たけど。ゲンゴロウのイメージが悪いとか言われるけど、そういうことを言う人が増えただけ関心が高まって来たのかなと思う。
―地域づくりには本当に時間がかかるということですね。でもぼくは取材をしていて着実にその輪は広がっているような感じはしますよ。